「頭がいい」と言われる人の習慣

「頭の良さ」は鍛えることができる

 成績が良い人のことを、「あの人は頭がいい」と評価することがあると思いますが、「頭が良い」というのはどういうことなのでしょうか。多くの人が、「頭の良さ」を生まれつきのもの、元々持っている能力、と考えてはいないでしょうか。
 記憶力や思考力に根本的な個人差があることは否定できませんが、それら初期能力の差は日々の勉強によって埋めることができます。
 では、「頭が良い」と言われる人は、どのような意識を持って、どのような努力をしているのでしょうか。以下、具体的に見ていきましょう。

目的をはっきりさせる

 例えば数学の勉強をする前に、「今日は何か数学の勉強をやろう」と漠然と考えて、そのまま勉強を始めているようでは、なかなか成績は上がりません。曖昧な意識で勉強や仕事をしている人間は結果を出すことはできないのです。
 どんな勉強をするにしても、必ず具体的な目的を設定して、その実現のために何をしないといけないかという具体的な方法を考える必要があります。
 例えば、
 〇数学の方程式の文章問題(特に食塩水の問題)を解けるようにする。
 〇この問題集の、この問題を解いて、できなければ解説を読む。
 〇分からない部分があれば先生に聞く。分かれば再び自力で解いてみる。
 といった具合に、目的がはっきりした状態になってから勉強することで初めて効果が出ます。
 また、その勉強によって、結果的に学力が上がったのかという点を意識しないといけません。新しい単語を覚えたとか、計算速度が上がったとか、何かハッキリした形で学習の成果があったのか、それを常に気にしてください。単に何時間やったとか何ページやったとか、形だけで満足してはいけません。

日常のあらゆることを勉強につなげる

 また、勉強というものは、机の上だけで完結するものではありません。普段、何気ない日常生活を送る中で、少しでも気になるものを積極的に見つけ、そこから学びにつなげることができます。 例えば、街を歩いている時でも「どうしてコンビニはこんなに近接しているんだろう?」とか「ガソリンスタンドの『ハイオク』と『レギュラー』の違いは何だろう?」という具合に、日常のささいなことに疑問を持って実際にそれを調べるということです。
 物事に対して「なぜ?」と考え、疑問を放置せずに調べたり考えたりする姿勢が身に付いている人は、調べることで知識が増え、さらに新たな疑問が生じて次の学習に進む、という風にステップアップしていきます。そういう人のことを世間では「頭が良い」と表現するのでしょう。何も考えない、何にも興味を持たないという人とはどんどん差がついていくことが想像できると思います。 日常の疑問を解決するためには、インターネットや書籍を利用して調べることが多いと思いますが、その内容を理解するための前提知識は小中学校で学ぶ基礎内容にあります。例えば、台風が沖縄から九州へ進み、そこから急に東に折れて中国四国地方、そして関東地方に上陸する様子を見て「まるで台風に意志があるかのように、どうしてこんなに日本を狙い打ちするようなコースを辿るんだろう?」と感じることはないでしょうか?その理由を調べることは簡単ですが、理解するには中学2年生の理科で学習する「太平洋高気圧」と「偏西風」などの知識が必要です。
 「勉強なんて大人になってから使わない」と言う人がいますが、大人でもきちんと物を考えようとする人は使うし、何も考えない人は使わないというだけのことです。勉強をする際も、身のまわりの事象への「なぜ?」を意識しながら勉強することで、理解がぐんと深まるでしょう。